June 28, 2007

ミートホープと食品行政

 連日ミーとホープ社の呆れた内情があきらになっている。今日も冷凍食肉を解凍するのに雨水を使っていたことが判った。偽装頬表示だけではなく衛生管理も消費者をバカにした行為を続けいたのだ。あの社長一家は自社の肉を食べたことはないのだろうか?そんな不衛生な肉と判っていたら食べられないだろうけど。

 当初から気になっていたのはこのような会社を野放しにしていた行政の管理体制だ。最初の頃の社長の会見で彼の表情が問題になった。全く悪びれたところが感じられない会見だった。あの表情からよほど食品行政と強いパイプで繋がっているのではないかと疑った人も少なくないだろう。その後も彼は「消費者も悪い」などの耳を疑う発言を繰り返している。

 彼はミートホープ社を設立する以前から偽装をしていたという。まさに筋金入りの偽装人生だ。

 2001年以降、日本ではBSEをはじめ食品安全にかかわる偽装事件が相次いで発覚した。それらのことが引き金となって、食品の安全に対する取り組みが強化され、2003年5月「食品安全基本法」が制定された。その後「食品安全基本法」のもと、行政の組織も抜本的に改正された。内閣府には「食品安全委員会」が設けられ、農水省は「食糧庁」を廃止して「消費・安全局」とした。「消費・安全局」の中には食品表示を監視する「表示・規格課」、残留農薬を検査する「食品安全管理課」、徹底的にリスクコミュニケーションを担当する「消費者情報官」が設置された。リスクコミュニケーションとは行政や専門家が食品産業界や消費者と常に情報の交換を行って政策に反映させることだそうだ。
 厚生省では「食品保健部」を「食品安全部」とした。

 どれをとっても消費者の「食品の安全」を重要視したものだ。「食品安全基本法」は生産から消費までの全ての行程において「ゼロリスク」はありえないとしている。つまり必ずどこかにリスクがあるのだから見つけるまでは重箱の隅の隅まで調べる、という考え方だ。そして「食品安全委員会」が各省庁、行政組織から要請を受けてリスク評価を行うのだという。

 食品のリスクとは何を指すのだろうか?BSEのような危険部位が混入されていないかどうかとか、残留農薬についてとか、輸入食材の安全管理とか........。いろいろあげられるが、今回のミートホープ社のように、偽装表示に始まって、食肉そのものを血液を混ぜるなどして偽装したり、賞味期限切れ間近の肉を横流ししてもらって使ったり、食肉の加工過程で雨水を使ったりすることは「リスク」に当たらないのだろうか?

 「食品安全基本法」が制定され1ヵ月後には「トレースアビリティ法」が成立し、トレースアビリティシステムが導入された。
これは食肉の一生を追跡しようというもので「農場から食卓まで」、つまりどこでどんな風に加工され、どのような流通経路を通じて食卓に並ぶのか、そのすべてが記録されるというのだ。BSE問題がきっかけとなって導入されたこのシステムは各段階の業者間での連携が不可欠だという。牛肉で成功したら他の食肉にも導入するつもりだそうだが、コストをはじめ問題は山積されているようだ。
 
 このシステムがどこまで稼動しているのかはわからないが、そこまでして食肉の安全(特に牛肉)を守ろうとしているのならば、牛肉100%で売られていたハンバーグの中に内臓や血の混ざった豚肉やら、なんだか判らない肉が混ざっていたということは判らなかったのだろうか?

 今回のことは内部告発がきっかけだった。しかしこれまでにも何度も告発はあったという。にもかかわらず全く調査をしなかった行政はどういうつもりだったのだろう。ミートホープ社によほど良い思いをさせてもらっていたのだろうか?

今回の件に関する行政の管理体制は問われないのだろうか?何10年も見て見ぬ振りをしてきたって事を、あのお坊ちゃま総理は「私が総理になる前からつづいていたことですから」なんて、また人に責任を転嫁するのだろうか?確か内閣府には「食品安全担当大臣」という人がいるはずだが、今回は農水省だけの問題なのだろうか?仲良しこよしの安倍内閣の「食品安全担当大臣」は高市早苗さんだったと思うけど.........。

 それにしても2003年に「食品安全基本法」が制定されてちょうど4年が過ぎた。この間にも食の安全にかかわる事件がいくつもあった。
 しかし、何10年もやりたい放題だったミートホープ社に関して言うならば、「ゼロリスク」はありえないという信念で、とことん追求するなんて大げさなことではなくても、もっと早く判りそうなもんじゃないかと思う今日このごろである。

お待たせ! 「今日のハトのかあさん」コーナー。まだかわいいヒナの姿は確認できません。何度もジョジョの襲撃を受けながら今日も暑い中けなげにたまごを温めていた。あさって30日頃が予定日(?)だ。かあさんがお留守のときたまごを観察したが、中で何かが動くような様子はない。ちょっと心配だなぁ。でももう2週間以上も温め続けているのだから「絶対大丈夫!」と信じることにしよう。なんだかドキドキするね。


Posted by saelie at 17:23:29 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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