July 12, 2007

悲しい日 刺激的な日

 私のブログを読んでくれる人の中には、私よりもハトのかあさんに関心があったという人も少なくないようだ。
 
 そんな皆さんに本当に申し訳ない、ヒナは孵らなかった。
かあさんも10日の朝飛び去ってから、全く姿を見ない。
昨日、私はジョジョとたまごに別れを告げた。見た目はたまごだが、その中でどれだけそだったのかはわからないが、きっとかわいいヒナがいたはずだ。私は「ピーちゃん」と「ジョンくん」と名づけた。いい年して何やてんだと言われそうだが、たとえハトでも命あるもの、ハトのかあさんに代わってしっかり送ってあげたいと思った。

 「ピーちゃん」と「ジョンくん」はティシュの箱で作った棺に入れた。
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 手紙も添えた。
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 かわいいピンクの包装紙で包んだ。
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 その後は生ごみと一緒になってしまうのだが、一ヶ月も一緒に過ごし、私たちを楽しませてくれた2羽のヒナたちを、そのまま生ごみにする気にはなれなかった。

 「もしかしたらまだ孵る可能性は残っていたかも」そんなことも考えたが、とっくに予定日は過ぎているし、かあさんが帰らなくなたこの時期が見切りをつけるチャンスだと思った。
そうでもしないと、私はいつまでたっても諦めつかないかもしれない。

 子供の頃、きれいに飾りのついた和菓子が食べられなかった。食べられないどころか、いつまでも飾っていた。母からは「カビが生えるから捨てるわよ」と何度も言われたが、私がガンとして捨てなかった。表面に粉がふいたようになることもあったがその時はそっと洗った。そのうち石のように硬くなった。

 学校に行っている間に母に捨てられることもあったが、その都度見つけては拾ってまた飾った。
どのくらいそうしていたかは定かではないが、最後は母や姉に説得されて、自分で捨てた。

 「ピーちゃん」「ジョンくん」の棺を生ごみと一緒にする時、そんな子供時代を思い出した。
そう、私は「捨てられない女」なのである。
それがわかっているから、最近は迷わず見切りをつけるようにしている。

 ピーちゃんジョンくんは天国の大空を2羽で飛んでいるだろうか?
きっと2羽は白いハトになっているかも。この街の狭い空ではなく天国の限りない空から地球の平和を見守っていてくれるだろう。

 昨夜は今週末にオープンする小学館の「神保町シアター」で映画を鑑賞した。上映されたのは40年程前の大島渚監督の作品「少年」だ。非常に重いテーマの作品だった。

 神保町シアターはすごい。まるで巨大岩石が落ちてきたかのような建物。どうやって作ったのか、中は何階建てなのか外から見ただけではわからない。本の街、古い町並みも残る神保町にできた異様な物体だ。吉本の劇場と小学館のミニシアターが入ったこの建物は、中で上映上演されているものへの期待感がよりつのる。
 ちなみにミニシアターはとても居心地が良かった!!!!!

 映画鑑賞後、出版界の若き(と言っても私と同世代)リーダーたちと食事をしながらいろいろ話をした。
彼らの仕事に対するエネルギーは私にもビンビン伝わってとても刺激になった。
 
 ちょっと人生の迷い道に入ってしまった私にとって、同世代の人たちが自信をもって生きている姿に触れることで、そのパワーに引っ張られるようだった。
素晴らしい友人ができた。
この出会いに感謝したい。