July 11, 2007

悲しいお知らせ

 ハトのかあさんが戻ってこなくなった。たまごが2つとり残された。

 今朝ベランダを見るとハトが2羽いた。どうやらハトのかあさんと、とおさんのようだ。かあさんはいつものようにプランターの中でたまごを温めていた。もう一羽はベランダのフェンスの上でかあさんに何かを話しかけているようだ。

 これは間違えなくハトのとうさんだ!

 ハトのかあさんは羽根の毛先が白くなっていて、たまごを温める時にうずくまると不規則に白いところが見える。ところが時々その白い部分が見えないことがあった。私は羽根の畳み方によって見えないこともあるのだろうと思っていた。しかし今日、かあさんと一緒にいたハトは白い部分の見えないあのハトだった。

 ハトは一一夫一婦性だという。メスがたまごを温めているいる間オスが交代で温めることもあるらしい。なんとすばらしい夫婦愛!



しかし今日はどうも様子が違う。とうさんがかあさんを迎えに来たように見えた。予定日が過ぎても孵化しないたまごをひたすら温めるかあさん。
「鳩子、もう無理だよ。あきらめよう!」
「鳩夫さん、私はあなたの赤ちゃんを育てたいの。もう少し温めさせて」 
こんな会話が聞こえてそうな二羽の様子だった。
 
 しばらくすると、ついにかあさんが飛んだ。とうさんが待つフェンスの上へ。
そして二羽はフェンスの上を歩いて隣家の方向へ。


 それきりたまごは置き去りにされた。
ハトの一家の大家だった我が家は、いつの間にか「ハトちゃんポスト」になった。

 
 たまごはどうするの?!
明日はたまごの弔いをしなくてはならないのだろうか?

 外は大雨。
たまごは雨に濡れている............。

 天使になった二羽のヒナたちへ。
君たちのかあさんは君たちの誕生を信じてどんな炎天下でも、猛獣の襲撃にも耐えてたまごを温め続けたんだよ。
そんなかあさんの愛情はきっと君たちに伝わったよね。
地上の大空をかあさんと飛ぶことはできなかったけれど、君たちは今、限りなく広い大空を二羽で仲良く飛んでいることだろう、眼下のとうさんとかあさんを見守りながら。
ご冥福をお祈りいたします。 

 というわけで、「今日は天使になったヒナたち」スペシャルバージョンでおおくりしました。