June 13, 2007

こりゃ大変だ!

まさかと思ったがついにこの日がきてしまった。今朝ベランダを見ると先日たまごが落ちていたところにハトが一羽うずくまっていた。産んでるの?違うよね!!と思ったその時飛び立ったハトのあとには小さなたまごが一つ残されていた。あじゃー!まただ。すぐにハトは同じ場所に戻ってきた、かと思うとそっとたまごを包むようにうずくまった。ハトがたまごを温めてるよ!
我が家のベランダは完全にハトの巣と化してしまった。ご近所のみなさんが知ったら嫌がるだろうな。でも地球上のすべての生き物に平等に生きる権利があると思うと、私はこのままこのたまごが無事かえってヒナが飛び立つその時まで見守っていこうと決意したのである!
夕方洗濯物をとり込むためにベランダにでてみるとたまごの周りに小枝やら何やらが置かれていた。ハトがどこからか運んできて巣作りしているんだろう。ここ一か月くらい番のハトが私の部屋を含む3〜4件のベランダに飛来してはポロポロと鳴いていたのだが、今になって思うと、あれはハトの部屋探しだったのではないかな。こっちの物件あっちの物件と物色していたのだろう。我が家に決った理由は多分私もジョジョもハトに友好的だったこととたまたま空いているプランターがあったからってことかな。

私は5〜6才だった頃、野生のカラスを餌付けしたことがある。正確にいうと餌付けというより遊んでいるうちに友達になったというほうが正しいかもしれない。実家のベランダにいつも飛んでくる一羽のカラスがいて、私と姉が窓辺で遊んでいるといつも外から覗いていた。母は「カラスはくちばしが鋭いから窓を開けちゃだめよ」と言っていたが私はどうしてもそのカラスと仲良くなりたかった。
ある時わたしが折り紙で遊んでいるとあのカラスがやってきた。
私は窓越しに折り紙をカラスに見せながら、「これは赤。これは青.......。」と色を教えた。カラスはジッと聞いているようだった。暫くして私が「赤はどれ? 青はどれ?.......」と聞くと、なんとカラスはその色の置かれた場所の窓ガラスをくちばしでコツコツと叩いた。私は何度が試したがカラスはそのだびに正しい色を指した、と私は思っている。その後そのカラスは私たち家族のアイドルになった。私たちは「カー子」と名付けた。カラスは実家の裏の山の松の木に住んでいるようでわたしや姉が「カー子!!」と呼ぶと山から飛んできて私たちの周りを飛び回った。私たちが食べていたスナック菓子を投げるとカー子は上手に取って食べた。父もよく一緒に遊んだ。
そのうち「野生のカラスを餌付けした姉妹がいる」とちょっとした噂になった。新聞社が取材に来た。千葉県の地方紙だったと思う。数日後、私たち姉妹がカー子と遊んでいる様子を撮った写真付きの記事になった。カー子を見たいと言う人も来た。カー子は人に慣れていたので誰がいても私たちが呼ぶと飛んできた。
しかし、記事がでてから10日くらいした頃だっただろうか。いくら呼んでもカー子が来ない。何日たってももカー子は姿を見せなかった。父は新聞に載ったことで話題になったカー子を捕ってしまった人がいるのかも知れない、と心配していた。それ以来カー子の姿を誰も見ていない。あんなに慣れていたのに......。
この文章を書きながら一人涙ぐんでいる私である。

カー子の分もハトの一家のためにちょっとの間場所を提供しようと思う。日が暮れて外は日中の暑さがウソのように涼しい風が吹いている。ハトのかあさんは今も我が家のプランターでたまごを温めている。